01 / 日本人の配偶者等とは

「日本人の配偶者等ビザ」は、配偶者ビザとも呼ばれ、日本人と結婚している外国人や日本人の子ども、特別養子が対象となる在留資格です。
このビザを持つことで、就労制限なしで日本に滞在できます。
在留期間は6ヶ月、1年、3年、5年のいずれかになります。

【 対象となる人 】

①日本人の配偶者
②日本人の特別養子
③日本人の子として出生した者

これらの条件に該当する場合、日本で長期にわたって滞在することができます。各条件について詳しく見ていきましょう。

【 ① 日本人の配偶者 】

日本人と法律上有効な婚姻関係が成立していることが前提です。
婚姻届が役所で受理され、日本と本国の両方で婚姻手続きが完了している必要があります。
また、内縁関係は日本では認められていないため、婚姻が有効に成立していることが大切です。

さらに、夫婦の実態があることを証明する必要があります。
「夫婦の実態」とは、基本的に同居していること日常的に助け合って生活していることを指します。この証明については後述します。

【 ② 日本人の特別養子 】

特別養子とは、実親との法的な親子関係を解消した6歳未満の養子であり、養親の実子と同等の関係を結びます。
日本人が外国人の子どもと特別養子縁組をした場合、その子どもは「日本人の配偶者等」となります。
普通養子は対象外です。

【 ③日本人の子として出生した者 】

日本人の親から生まれた子どもで、その子どもが日本国籍を持たない場合でも、日本人の親がいることが条件です。
ただし、親が日本に帰化後に生まれた子どもは対象外となります。

※日本では多重国籍が認められていないので2か国以上の国籍がある外国人が日本に住む場合には、どれか一つの国籍を選ばなければなりません。

02 / 審査のポイント

「日本人の配偶者等」の在留資格(ビザ)を取得するための審査では、主に以下の2つのポイントが重要です。

①婚姻の実態
②生計の維持


これらの審査ポイントについて詳しく見ていきましょう。

【 ①婚姻の実態 】

審査では、夫婦として同居し、互いに助け合って生活しているかが判断されます。
婚姻の実態を証明するためには、以下の情報や書類を提出することが求められます。

  • 結婚に至った経緯
  • 結婚歴や渡航歴
  • 親族関係や家族の交際歴

また、結婚式の写真や旅行の写真など、二人で過ごした証拠を提出することが必要です。
特に以下のようなケースでは、婚姻の実態について疑問を持たれることがあるため、証拠をしっかり準備することが重要です。

  • 夫婦間に年齢差がある
  • 結婚までの交際期間が短い
  • それぞれに前婚がある
  • 住居が狭すぎる
  • 結婚紹介所を通じて出会った

私の場合、結婚式、家族旅行(タイ、日本)、両親との写真、友人との写真を貼付し、横の空白欄に何時に誰との写真かと記載しました。

【 生計の維持 】

生計が立てられるかどうかは、申請者と配偶者が日本で生活できる経済基盤があるかを審査されます。
審査の際には、世帯の人数と収入のバランスが重要となります。

例えば、夫婦だけの世帯であれば、二人の収入が生活費を賄えるだけの額であれば問題ありません。
また、無職の場合でも、生活保護基準を上回る収入があれば認められる可能性があります。

03 / 申請書類

日本人の配偶者等ビザを申請する場合、必要な書類は申請する条件によって異なります。
以下は、一般的な申請に必要な書類の例です。

【 日本人の配偶者の場合 】

  1. 在留資格認定証明書交付申請書(1部)
  2. 証明写真(4cm×3cm)(1枚)
  3. 配偶者(日本人)の戸籍謄本(1通)
  4. 結婚証明書(本国発行)(1通)
    • 私の場合、タイでの結婚証明書(タイ語版と日本語訳版)を提出しました。
  5. 配偶者(日本人)の住民税課税証明書および納税証明書(1通)
    • 私の場合、上記にも記述しましたが、日本での収入が無かったので、非課税証明書を提出しました。
  6. 配偶者(日本人)の身元保証書(1通)
  7. 配偶者(日本人)の住民票(世帯全員分)(1通)
  8. 質問書(1通) 
  9. 夫婦のスナップ写真(2~3枚)
  10. 返信用封筒(必要分の切手を貼付)

【 日本人の実子・特別養子の場合 】

  1. 在留資格認定証明書交付申請書(1部)
  2. 証明写真(4cm×3cm)(1枚)
  3. 申請者の親の戸籍謄本(1通)
  4. 日本で出生した場合(いずれか1通)
    • 出生届受理証明書
    • 認知届受理証明書
  5. 海外で出生した場合(いずれか1通)
    • 出生国の機関から発行された出生証明書
    • 出生国の機関から発行された申請人の認知に係る証明書(認知の場合)
  6. 特別養子の場合は次のいずれか (1通)
    • 特別養子縁組届出受理証明書
    • 日本の家庭裁判所発行の養子縁組に係る審判所謄本及び確定証明書
  7. 日本で申請人を扶養する者の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が載っているもの)×(各1通)
  8. 身元保証書 (1通)
  9. 返信用封筒(必要分の切手を貼ったもの) (1通)

これらの書類が外国語で発行されている場合、日本語訳も必要です。

【①在留資格認定証明書交付申請書】

【申請人等作成用2 サンプル】

【申請人等作成用3 サンプル】

04 / まとめ

配偶者ビザを取得するためには、婚姻の実態生計の維持をしっかりと証明することが必要です。
交際経緯や生活の実態を証明するための書類や写真を準備し、審査に通るための証拠を提出しましょう。

万が一、手続きが複雑で不安な場合は、行政書士などの専門家に依頼することをお勧めします。
また、万が一離婚してしまった場合でも、条件を満たせば定住者ビザに変更することができる場合もあります。
お困りの際は、ぜひ一度ご相談ください。

05 / 申請時の実際のケース:無収入でも配偶者ビザの許可を取得できた理由

【 1. 私の状況 】

日本に帰国した際、私は行政書士事務所を開業していましたが、実際にはほぼ無収入の状態でした。
それまでのキャリアとして、タイで現地採用として働いており、その前は日系の別の会社に約10年勤務していました。

そのため、帰国後に配偶者ビザの申請を行う際に、日本での所得がない状態で申請をしても許可が下りるのか、正直なところ不安でした。

【 2. 申請時に行った準備 】

配偶者ビザの申請には、経済的に自立していることが求められますが、私は当時収入がなかったため、残高証明書を提出して経済的な安定を証明しました。

具体的には、家族3人(私、妻、子ども)が無収入でも半年間普通に生活できる金額として、25万円×6ヶ月分を目安にしました。
これは、生活保護受給基準を上回る金額として設定されたものです。

【 3. 創業計画書の提出 】

さらに、私は行政書士事務所の創業計画書も自作して提出しました。
これにより、将来的な収入の見込みを証明し、審査担当者に対してしっかりとした証拠を示しました。

【 4. 結果:無事に在留資格認定証明書を取得 】

その結果、追加の資料や質問が一切なく、在留資格認定証明書を無事に取得することができました。

【 5. まとめ 】

無収入の状態でも、必要な証拠資料をしっかりと準備すれば、配偶者ビザの申請は十分に可能です。
私の場合、銀行の残高証明書や創業計画書が審査を通過するために非常に有効でした。
もし申請に不安があれば、行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。

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